新型コロナウイルスの影響で、在宅での仕事や授業など、スマホやパソコンの画面を見る機会が増え、目の疲れを感じていませんか。
目を正しく休ませることは全身の健康につながる
ものを見る、目を使うという事は、脳も働かせているということは言うまでもありません。
目が疲れてくると、より懸命に見ようとして、脳にもそれだけ負担がかかる(処理能力に)ことになります。
目の疲れは脳を疲れさせ、頭痛や肩こり、それに伴う思考力の低下など全身の不調に及ぶことも。
個人的にも、また世の中的にも、スマホやパソコンが欠かせない状況下にあって、この目の疲れは深刻です。
目の不調は仕事の生産性や生活の質(QOL)にも大きく関わってきます。
目を正しく休ませるコツ
①パソコン環境をを整える
画面を見る角度で 疲れ方が変わってきます。
パソコンの上端が目と同じ高さか、15度下までにします。
(椅子による高さの調整もありです)
輝度(画面の明るさ)やブルーライトを抑える設定にする。
睡眠の質改善のために、 就寝の30分ほどの前からはスマホやパソコンを見るのをやめる。
ブルーライトは紫外線の次に波長が短く強い光です。日焼けこそしませんが、角膜や水晶体を透過して、網膜まで到達しますので、長時間見ることで目に負担がかかってしまいます。ドライアイや、目のかすみ、焦点が合わないなどの症状が現れます。さらにひどくなると肩こり、頭痛などが訴える人もいます。
※ブルーライトも太陽から放出される光の一種で、網膜に届くことで体内時計を整える役割があります。
夜にブルーライトを浴びると目がさえ(※)、睡眠が浅くなって疲れが取れず、免疫力の低下の原因になることもあります。
眼鏡、コンタクト─見えすぎると不調に
眼鏡やコンタクトを買うとき、通常、良く見えるものを買うのが当たり前?と思われます。
実は”見え過ぎる”ことによる不調があるのです。
近視のメガネの多くは、遠くが見やすいように作られていていますが、そのために、より光の屈折力が強いレンズ(度数が強いレンズ)を使用する必要があります。
ところがその度数が強いレンズで近くを見ると、ピントを合わせるために、目の筋肉をより緊張させなければいけません。この負担の持続が、疲れや肩こり、ひどい場合は吐き気を引き起こす原因になります。
普段用と手元作業用の眼鏡を分ける
パソコンやスマートフォンをよく使うなら、今までのメガネに加えて、近距離のモニターを見続けることを配慮した、強すぎない度数で作ると負担が軽減します。
(眼鏡やコンタクトを購入の際、スマホやパソコンをようく使うならそのことを伝えて用途に合った眼鏡を選びましょう)
コンタクトは清潔に扱う
コンタクトを扱う際は、目に直接触れるので、必ず手を洗ってください(コロナ禍もあります)
コンタクトをしたまま寝るのは絶対にNG。
ドライアイを進行させ、目に傷がつく恐れがあります。
(寝てるとき目は潤っているは間違い──瞬きをしないため涙が分泌されず、朝は最も目が乾いた状態になっている)
②ドライアイの予防は感染リスクを下げる
涙の質が低下するとドライアイに。涙は目にとって皮膚のようなものです。ウイルスや細菌を洗い流してくれる機能があり、アレルギーが悪化するのを防いでくれています。
●自分のドライアイの程度は?「まばたき我慢チェック」
余談ですが、テレビの番組で芸能人の「まばたき我慢対決」なるものがありますが、優勝者は5分以上もまばたきを我慢。俳優としの”プロ根性”?かと言いたいけど、果たして根性で耐えられるもんなんでしょうか?
ドライアイの程度は、まばたきをどれくらい我慢できるかで見ます。
方法:鏡に向かって目を大きく見開きます。その状態で何秒我慢できるか数えます。
10秒未満…ドライアイが強い状態です。
30秒未満…ドライアイの疑いです。
30秒以上…合格です。
(参照 https://gentosha-go.com/articles/-/14107 本当は怖い「ドライアイ」の基礎知識と対処法【第1回】)
言うまでもないでしょうが、ドライアイの人は目が乾くために、目を開けているのがつらくなって、ついつい目をつぶりたくなってしまいます。
まばたきをしなくていいということは、目が簡単に乾かないという事です。上記の芸能人の方は、まばたきを耐えている間、その目が潤ってきているのがわかりました。
仕事や授業等で、空調の効いた、乾燥した部屋に長くいると(特に秋から冬の季節)、まぶたの血流が悪くなり、ドライアイが進みやすいので要注意。
室内が乾燥していると目が乾きやすいので、加湿器を使ったり、できればエアコンの使用を控えたいものです。
症状の軽いうちは、水で濡らして電子レンジで温めた蒸しタオルで目を覆うと瞼が温まり、ドライアイを和らげてくれます。
眼鏡の周りに覆いを付けて目の周りの湿度を上げ、目を温めて目の疲れを取ることも有効です。(ドライアイ専用眼鏡の使用)
③目薬を差したらパチパチしない!
あなたは、目薬を差したら、目をパチパチしませんか?
その方が、薬が目にしっかりしみ込んでいくのではないかと思っていませんか?
実は、差した後に、まばたきをすることで、涙が分泌され、目薬の成分が薄まっていしまいます。
正しくは、目を閉じて、目頭を1分ほど押さえると最も良く効きます。
●薬局で目薬を買う
薬局に行くと、さまざまな目薬が販売されています。金額も様々です。
自分なりに症状を判断して購入する場合や、お店の薬剤師さんに相談して決めることもあるでしょう。(必ずしもそれがあなたにとってふさわしい目薬とは限りません)
パッケージの表示だけを見て選ぶ方も多いのでは。
自分で選ぶ場合も、成分をよく確認することが大事です。
1日に複数回使うなら、防腐剤を含まず、生理食塩水に近いものがおすすめです。
抗菌作用や充血止めの効果があるものには注意が必要です。
過度に使うと、抗菌剤に耐性のある菌ができたり充血の本当の原因に気づかなかったりして、症状が悪化する場合があります。
大切な目です。自分の症状に改善が見られない場合は、いろいろ目薬を変える前に、医師に相談しましょう。
④目に良い働きをする食べ物
目にとって涙は皮膚のようなもの。涙の質の低下がドライアイに。(→②)
涙の質をよくするには良質な脂が必要です。
眼の血流をよくする、サラサラに保つために、DHAとEPAが多く含まれる青魚を週に一度は献立に取り入れるとよいでしょう。
涙の主成分である水分を目の表面に保ってくれるのがムチンという物質です。
このムチンは、オクラやヤマイモ、納豆などのねばねばした食べ物に豊富です。
ホウレンソウに多く含まれるルティンは、定期的に取ることで体内にとどまり、目を紫外線などから守ってくれる働きがあります。
エビやサケなどの赤色の海産物に豊富なアスタキサンチンは、抗酸化作用を持ち、白内障や老眼の予防に役立ちます。
視細胞(外の光刺激を吸収し電気信号へと変換する役割を持つ)の素になり、目の防御能力を高めてくれるのが、ビタミンA・C・E(通称ビタミンエース)です。
この3種類には抗酸化作用があると言われています。
これらを含む食材をバランスよく取るようにしましょう。
・ビタミンAはレバー、緑黄色野菜に多く含まれます。
・ビタミンCは、果物、野菜に多く含まれます。
・ビタミンEは、植物油、種実類、魚介類に多く含まれます。
⑤マイボーム腺を守るメーク術
目のメークをするとき、瞼の際までアイラインを引かないようにしましょう。
涙の脂を分泌するマイボーム腺があり、その働きを妨げるとドライアイの原因になることがあります。
また、メークをしっかり落とし切ることも大切です。
メーク落としの後に、ぬらした綿棒で目の際をなでるように拭くとよいでしょう。綿棒にメークが付いているようなら、再度落としましょう。
残ったメークは脂の分泌を妨げるとともに、まつげが炎症を起こし、短くなることにつながります。
きちんと落とすことが目の健康にも美容にも良いということです。
⑥深刻な病気ほど症状が軽い場合も
コロナ禍で病院を控えているという方が増えているようです。
そのため、目の病気が重症化する可能性も高まります。
目の病気は、深刻なものほど初期症状が軽い場合があります。
大きな病気を見逃さないため、日常的なセルフチェックとともに、少しでも違和感や不調を感じたら、受信することが大切です。
当然ながら、感染症対策は前提としてあります。